【初案件】大炎上から学んだこと(前編)

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今回は「Webディレクター」という肩書に転身してから、 初案件で学んだことを書きます。

なんでも一番最初の体験というのは強烈に残っているもので、 結論から言うと、初案件はかなりの大炎上でした

経緯報告書を作成し、営業担当が数人かわり、クライアントの部長レベルが来訪して今後の対応を求めるレベルの炎上です。

(いまでも”今回の事象”という言葉を目にするとちょっと胸騒ぎがおきます 笑 )

スタートダッシュで盛大につまづいてしまった私自身はもちろんへこみましたし、 何よりも、チームのメンバーやたくさんの人に迷惑をかけてしまったのですが、 逆に自分がこの仕事や役割の重さをはっきりと自覚する良い機会でもありました。

前編では、はじめてのプロジェクトのリリースまでと、トラブル発生までの流れを。

後編では、トラブル発生後、着地までにおきたこと を書きたいと思います。

※なお、文中に登場する人や企業の情報、案件の中身などは仮としています。ただ、起きた事象や流れについては体験をもとにしたものになっています。予めご了承ください。

プロジェクトのはじまり

広告やマーケティングを取り扱う部門に「Webディレクター」として配属されて数週間。

はじめての案件は、某日用品をテーマにした販促キャンペーンでした。

当時の配属されたグループが担当していたサービスが成長著しかったこともあり、 年間継続前提とした大きな予算を割いてくれる予定のクライアント。

一発目となる大事なキャンペーンは、

弊社が提供するサービスの中で、商品の特設サイトを作成

このサイトに毎日来訪するたびに、スタンプが押せる

そのスタンプを貯めると、 サービス内で利用できるポイントが抽選で当たる 。

という年間を通じて行う企画。

今思えば肩書だけ「Webディレクター」の私をアサインした会社もだいぶワイルドだなと思いますが、 なにより一番恐ろしいのは、 当時、CMSベースの簡単なタグの編集と画像加工技術しか持ち合わせておらず、 Webの開発フローどころか、Webの仕組みすらわかっていないのに、

でも「なんとかなるだろう」と楽観的に考えていた、私自身でした。

右も左もわからない

当時チームは10人ほどで、 先輩のディレクターが2〜3名と、あとはエンジニア。デザインは隣接する別の部署に依頼して開発してもらう という体制。

とりあえず先輩のディレクターから、

「なにかわからないことがあったら言ってね」

という、先輩からだれもが聞くであろう社会人あるあるフレーズを耳にしつつ、 共有された進行管理のチェックシートみたいな資料を見るも、 項目が100個くらいあり気が遠くなる。。。

まず、用語がわからない。

「ワイヤーフレーム」とは・・・?

早速ググると、前職で作っていた、 画面遷移図のようなものということがわかる。

同じように、とりあえず資料に出てくるカタカナを片っ端から調べる。。

ただ、この資料の中には社内のローカルルールとか承認・申請みたいなタスクの話があり、 それはググっても絶対出てこない。

一番早いのは、隣の先輩に聞くことだが、めちゃくちゃ忙しそうで、とりあえず聞くのをためらう・・・

こんな感じで、「ググり9割、聞く1割」の、右も左もわからない状態からスタートしたのでした。

伝言ゲーマー

その後ワイヤーフレームなどの設計フェーズは、 先輩の資料をコピペ応用するとかでそれとなくできたのだが、 さすがにミーティングはドキュメントを読み込めばすむ話ではないことを痛感する。

エンジニアとの開発キックオフにて

「今回開発するもののスコープってどこまでですか?」

「ここのログイン処理させる仕様はこれでよいのでしたっけ?」

「エラーの想定ケースと、それぞれのエラー表示内容って決まってますか?」

・・・・日本語なのはわかるが、外国語を話さされている気分。

私の頭の中は「スタンプを押せるサイトを作る」それだけだったので、回答できるはずもなく、「この後確認します」の繰り返し。(唯一回答できたのはキャンペーンの予定期間くらい)

ミーティングの後、時間を作ってもらって先輩のディレクターに相談するが、 教えてもらった意味も半分以上理解できず、 その言葉をまんま伝言ゲーマーとしてエンジニアに伝えるだけ。


「スタンプは1日1回しか押せないので、2回目はエラー処理を入れてほしいです。」

「1日1回の定義って日付変わったらですか?ユーザさんがスタンプを押した時間から24時間ですか?あと、そのスタンプが押せないときのエラーのときはどういう処理にすればよいです?」

「か、確認します!」

そのうち、私の流れを察したエンジニアが、細かい仕様はよしなに汲み取ってやってくれるようになり、最終的に出来上がった開発物のレビューもエンジニア主導でやってもらう始末。

その後、最終チェックを経て、無事リリース(したと思っていました)

休みの日、見慣れない着信

案件がリリースしてして3週間ほどたった休みの日、 見慣れない番号から着信が入りました。

出てみると、ディレクターの先輩から。


「君が担当してたサイト、スタンプが押せなくなったみたいで、問い合わせがかなり来てる」

一瞬にして背筋凍りつき、鳥肌が吹き出す。ただ会社のルール的に当時は休日のPCの持ち出しができなかったので、何もできず、 ただただ状況の共有を受けるだけ。

「とりあえずエンジニアが処理対応中だから、週明け整理しよう」

電話を切った後、とりあえず本当なのか確認しようと思った。

でも、スマホからサイトにアクセスするのが怖くてたまらず、ブラウザを開くのをなんどかためらう。

しばらくして、意を決してアクセスする。

サイトにアクセスする。

ログインする。

スタンプを・・・

あっ、本当に押せない・・・

何度試しても、押せない・・・

この事態が収束するまで、自分にできることはなかったが、 気持ち的に休日が休日でなくなったことは言うまでもありません。

後編へ続く・・・

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