今回は、Webディレクターが年収を上げるための4つの方法の後編。
後編では、
「フリーランスとして働く」
「起業する」
の2つを取り上げます。
Webディレクターの年収を上げる4つの方法(前編)では「副業」と「転職」を取り上げていますので、ぜひあわせてご覧ください。
「フリーランス」として働く
タイトルのままですが、フリーのWebディレクターとして働くという方法です。業務委託契約などで企業から仕事を受けるなどが一般的な働き方になるかと思います。
仮にフリーランスのWebディレクターで年収1000万円を目指す場合、単純計算で1ヶ月あたり約85万円の収入が必要になります。「単価が高いものを集中してやる」「1つあたりの単価は低いが、複数案件をうける」など、選択の仕方はいろいろとあると思います。
このあたり、会社勤めとフリーランスとの比較は、JobQさんの下記の記事が参考になりました。
Webディレクターの年収は高いの?低いの?徹底解説します
JobQ
会社勤めとフリーランスの、メリット、デメリットが端的に書かれています。
ちょっと話がそれますが、会社勤め、特にインハウス(少なくとも私の会社)の場合は、”自分から仕事を作り出す、作りに行く”マインドが大事ですし、評価されます。
自ら会社で利益を上げる、もしくは利益を上げている部門に目に見える形で率先的に動いて貢献する、というのは、Webディレクターに限らず、すべての会社員が給与を上げていく上での真実かなと思います。
例えば直接的な売上や収益につながるスキームが見いだせなかったとしても、事業オーナーやマーケティング担当者が考えた仕組みを形にし、プラスアドオンを乗っけて、事故無くプロダクトをリリースさせることで、会社の利益に貢献するという方法もあるはずです。
また、フリーランスで働くWebディレクターの単価でいうと、toruさんの下記のブログがかなりリアルです。
フリーランスのWebディレクターの年収相場【業務委託の場合】
TORUBLOG.COM
企業側としては、このような業務委託費の単価を決める際、経営層もしくは事業オーナーは、マネジメントコストも含めた社内人員を1人雇った場合のコストと業務委託費を天秤にかけている可能性が高いです。
また、運用サービスの場合、投資対効果を最適化することで利益率を高くしようとしたり、新規開発の場合には投資と捉えて多少高くても人員を充てるケースが考えられるので、自分自身のスキルセット・ほしい金額感・目星をつけているサービスがどういうフェーズなのかを考慮しながら、案件を選んでいくと良いと思います。
また、業務委託契約時の免責や瑕疵範囲、納品物がどちらに帰属するかは、契約前に事前に確認し、不明点や気になる点は事前に契約先と協議すると良いです。
発注する企業側の立場からすると、自社が最大限リスクを回避するような契約内容・文面になっている可能性が高いので、このあたり、契約時に譲れない点があれば着手前に確認しておきましょう。
「起業する」
最後に起業について。
今回の考察をするにあたり、個人的に下記の記事が一番刺さりました。
SmartHRの宮田さんが書かれている記事。
Webディレクターをしていたときの不安、起業までの経緯、立ち上げ時期のリアルまで、Webディレクターとしては共感しかない内容がギュッと凝縮されていて、”Webディレクターが起業家”に向いていると断言されている点も非常に勇気をもらえます。(しかも良いことだけではなく、苦労しそうな点も書かれています)
ちなみに、”Webディレクターが起業家”に向いているという点については、私の周囲でもエンジニア(もしくはデザイナー)出身で制作会社を起業された方がいますが、事務処理から足りない素材の回収、こぼれている仕様の定義までコミュニケーションをされていて、起業された方がディレクターっぽい動きをしながら兼務で立ち回られている印象が強かったので納得できました。
また若干話しがそれますが、この記事の「不安」にもあった通り、インハウスのWebディレクターのポジションの場合、普通にプロジェクトで仕事をするだけでは、年収が頭打ちになる可能性が高く、マネージャー、PM、事業責任者など、何かしらの職種にチェンジしていかないと、上げていくのはなかなか難しい印象です。
また、上記のような職種は、サービスや組織で希少なポジションであり、やりたいと手を上げたらできるような職種でもないので、コツコツを準備をしながらアピールを繰り返し、機会を待つ・・ということになる可能性もあります。
話を戻して)
起業の事業内容を考えたときに、大きくは「受託制作をする」か、「自らサービスや事業を生み出す」の2択になるかと思います。 宮田さんのように、後者の場合はやりたいことが明確なので迷う必要がないと思いますが、発注側の経験を踏まえると、前者の場合はかなり”強み”が必要という印象があります。
たとえばアイミツを取る場面で、比較的中長期でお願いしたいプロジェクト等の場合、コスト感が僅差だった場合に、最終的な決めては、この会社は何を”強み”をとしているのか?が選定の重要なファクターになり得ます。
※番外編
最後に、Webディレクターの年収アップを考えいてく上で、参考になりそうなその他の記事もご紹介します。
「Webディレクターに必要なスキルと年収を上げる方法」
arutega
元LIGのMakopontassさんがご自身の経験をもとに、クライアントワークでのディレクターの立ち回りと、必要なスキル感に関してリアルに書かれています。かなり密度の濃い記事。
Makopontassさんのように、制作をブリッジして海外で運用するという手法(=オフショア開発)は、ある程度の規模のWebサービスが特に運用フェーズに入った時は取られやすい選択肢であるので、言語以外にも、現地の国民性や特性など、自分にしか無い経験値があるとかなりの強みなりそうですね。
現役webディレクターが教える年収や将来性!未経験でも大丈夫?徹底解説
メンレバ
制作会社のWebディレクターの立ち回りや普段の業務内容について、未経験、初心者でも非常にわかりやすく書かれています。特にWebディレクターこそ”ソフトスキル”が大事ということは、制作会社や事業会社を問わず必須条件ですね。
【全紹介】ITの年収を16の職種別に解説!平均年収390~928万円が相場
InterFactory
InterFactoryさんによる、ITの年収をまとめた記事。Webディレクターとその周辺にある職種と年収が整理されているので、自分自身のステップを考える上でわかりやすいと思いました。 この記事の中にあるように、これからのキャリアを考えて、自分が得意な分野で突き抜けて、Webディレクター以外のポジションに行くというのもありだと思います。
他のポジションに興味がある場合は、
①会社にいる近しい職種の人に仕事内容を聞く
②MeetUPイベントなどで近しい職種の人と知り合いになる
が第一歩としておすすめです。
また余談ですが、この記事内のWebディレクターの平均年収が高い点に関する指摘も同意です。基本この年収をもらえるレンジの人は、マネジメントもしくはサービス自体の責任者も兼ねている人が多いイメージです。
あと、ここですね。 これはWebディレクターに限らず、会社員の本質だと思います。
上司にとって使い勝手の良い人材は、注目の浴びる案件に携わる機会が多くなり、そこでスキルや経験、さらには人脈が広がります。
最後に
前編・後編にわたりお読みくださった皆様、ありがとうございました。
長くなってしまいましたが、私は「Webディレクターは何者でもないからこそ、何者にもなれる可能性がある」と思います。
その上で、事業会社(インハウス)のWebディレクターは、事業担当者、PM、マーケティング担当などと普段の業務を通じて接点が深く、今後のキャリアの発見学びや発見が得やすいポジションであるとも言えるので、特にビジネスの領域でさらに活躍・成長していきたいと考えているのであれば、ぜひオススメしたいと思います。
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